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ヴィア・ノヴァ弦楽四重奏団 Quatuor Via Nova

この四重奏団の正式な命名は、1968年に行われたが、既に1964年コルシカ音楽祭の時に創始者ジャン・ムイエールはその存在を予示し、個々のパートの寄せ集めではないアンサンブルを奏でるため、すなわち時間と文化を共有できる奏者達と共に徐々に四重奏団を結成することになり、1968年にViaNova(新しき道)カルテットとして歩みだした。それはその名の通り、きちんと標識が立ち、ちゃんと整備された小道ではなく、探求と創造の精神に満ちた道程であった。永年ドビュッシー、ショーソン、ラヴェル、フォーレ、フランク、ルーセル等のフランス音楽のレパートリーの探求に務めたが、一方でデュティーユ、ブクルシェフ、ティスネ、オアナ、クラウェ、レヴェル、ジョラス、フィリッポ、クセナキス、ベッツィ等の現代作曲家作品の初演、また隠れた作曲家達キャプレ、ダンディ、ピエルネ、コシュラン、イベール、マニャールといった時流に逆らう人たちの作品を積極的に紹介している。一方、ドイツの偉大な作曲家の作品には、独特の新しい光を当てレコード録音においても数々の賞に輝いている。中でもシャルル・クロ協会の栄誉の中で最も誇り得る1983年度共和国大統領賞がヴィア・ノヴァ弦楽四重奏団のハイドンとシューベルト録音に与えられている。ムイエール以外の現在のメンバーは、第2ヴァイオリンのジャン=ピエール・サブレ(元ストラスブール・フィルハーモニーのソロ・ヴァイオリン奏者)、ヴィオラのリヴィユ・スタネーゼ(エネスコ弦楽四重奏団の創始者)、チェロのジャン=マリー・ガマール(元パリ・オペラ座及びフランス国立管弦楽団の首席ソリスト)である。この四重奏団はヨアヒム、イザイ、ティボー、ヌヴー、そしてグリュミオーに至るフランコ=ベルギー派の系列に連なり、イザイ、カペー、カルベ弦楽四重奏団の真の後継者といわれている。レコード・CDにおいてもADFディスク大賞を受賞するなど多くの名演を残し、精力的な活動を続けている。1984年に初来日し、歴史的な名演と讃えられたドビュッシーの演奏等、来日の度に情熱を秘めたその高貴で品格のある名演を繰り広げてきている。
by masanotomo | 2001-11-01 01:01 | 1991年